当会の会主・西田和美は唄ばやしを専らとしていますが、この唄ばやしのことを。
そもそも、はやし――お囃子などは、能や狂言、歌舞伎などで拍子をとることから始まりました。ひな人形に五人囃子というのがありますが、笛や太鼓などのいわゆる鳴り物で構成されていますね。
民謡の始まりは、猿楽や田楽とされ、労働の唄なのはご存じのことと思います。ここで働く人たちを励ましたりするために、鳴り物を鳴らしていたのですね。今日ですと、野球の応援なんかが、鳴り物で選手を励ますといったような。そして、民謡でお囃子といえば、太鼓などで拍子をとりますね。
以前、音楽での低音の役割をちょっと書いたことがありますが、お囃子も同じような役目と効果をもっていると思います。
唄ばやしも、民謡の歌の中で、拍子をとったり、調子をとったり、また歌詞の内容に合わせた合いの手のようなお囃子を歌い、演奏を盛り上げます。
こうした演奏を盛り上げたり、演奏に味付けをする手法は西洋音楽でも用いられます。弦楽器ではビオラという楽器がありますが、バイオリンよりちょっと大きく、チェロより一回り小さい弦楽器ですが、このビオラが加わることで、演奏に厚みが増します。
さらに話はそれますが、弦楽器の演奏者にはそれぞれ性格が関係しているとかいないとか。で、ビオラ奏者はなんでも世話好きな方が多いのだとか。
お囃子の演奏者もそうなのでしょうか。少なくとも民謡を歌っている人に寄り添って、歌を聴きながら、合いの手を入れていかなければなりませんので、お世話をする、お手伝いをするといった気持ちでないといけないでしょう。
会主が、唄ばやしを若い方にもっと注目していただきたい、関心を持っていただきたい、そして一緒にこの道を歩んで行きたいと言っております。
唄ばやしで、合いの手が決まると気持ちいいですよ。いかがですか、ご一緒に。