新たな年を迎えると、今年こそはと心に秘めたる決意――。日めくりカレンダーをちゃんとめくる。鉢植えの花に水をやる。日記をつける。などなど。こう書いているのは、そのどれもが三日坊主に終わってしまうという、自慢できない自慢話だからです。
その日記なのですが、興味深い話を聞きました。だいぶ以前のことですが。
具体的なことは省きますが、ある組織でメンバーの日記を、メンバーの死後、調べてみたというのです。
その結果は興味深いものでした。日記の中のあるキーワードと寿命に関係があるというのです。そのキーワードはズバリ「感謝」。感謝の言葉が多い人ほど、おしなべて寿命が長かったというのです。
さもありなん。人生における感謝は、その人の人生の肯定感、幸福感を高めてくれます。そこによい結果がもたらされないはずがありません。
そして、感謝や幸福感に満たされると、それは行動にも表れてきます。三味線の演奏にも。民謡の多くは、仕事やハレの場での祝い歌です。人々を励ましたり、めでたい事を分かち合う、共にお祝いする歌です。ですから演奏者自身が持っている気持ち、幸福感を歌や演奏に乗せるこそが大事なのではないでしょうか。それが聞き手に届き、聞き手の心を満たせるのではないかと。幸せのお裾分けです。
こんな辛い時期だからこその「感謝」。ありがとうの気持ちをいつも忘れず、今年もがんばっていきたいと思います。