今年をふりかえって

一年が早いという口癖は、自らが齢を重ねている証なのでしょうか。ほんとうに早いですね。しかも今年は異例ずくめの一年でしたので、なおのことかと思います。
昨年の今頃は兆しはあったものの、まさかこんな景色が一変するなんて、誰が想像できたでしょうか。
外出自粛に伴って、人との接触を控えるよう勧められ、これによってお稽古、人の集まる発表会など全てが止まってしまってしまい、また繁華街から人影がなくなるという、異様な景色を目にすることになりました。
そればかりではありませんでした。音楽など芸能、芸術に携わる方々は収入の道も途絶えます。そして、気がつけば伝統芸能、それを支える伝統技術の継承すら危うくなっていました。
識者の中には、この禍が収束した後の世界は、全く違った世界になると言われる方がいましたが、そう思います。いろいろな意味で変革を求められていると思いますし、このような禍は、必ずが再び到来するでしょうし、その時に乗り越えるためにも次の準備が必要だと思います。
伝染病との闘いは今に始まったことではないことはご存じの通りです。その歴史の中での今回の対応は、これまた異例ずくめです。ワクチンや治療薬の開発が信じられないスピードで進められ、先が見えてきていることはなによりです。
そんな中で、お稽古、9月の発表会、コンサート、ライブなど、そろりそろりと感染防止対策を講じながら再開し始めています。
会場の入口での検温にドキドキして、もしアウトだったらどうしようとか、ちょっと怖い感じもしますが。
竹声会の教室も次の発表の機会、競技会に向けて、お稽古を再開しております。またありがたいことに、秋口からは、お稽古のお問い合わせも増えてきています。
わたくしたちも、次に備えてお稽古に励んでおります。さあ、ご一緒にお稽古しませんか。こんな厳しい状況だからこそ、みなさんに民謡の楽しさ、三味線のエネルギーを感じて頂きたいと、それが明日への活力につながることだと信じてやみません。
一年をふりかえってそんなことを思う師走です。