先日、NHK首都圏のローカル番組で、珍しく民謡を取り上げていました。今、民謡が熱い、そういう内容だったかと思います。
若い方がやっておられるバンドで、中南米の音楽をベースにアレンジ、演奏していました。
現地の民族音楽ですから、民謡とそんなに違和感があるわけでもありません。いざ、演奏を聴くと、ラップ調になっているのです。まあ、ラップも人の生き様なんかを歌にしているのですから、これまた民謡とそんなに違和感はありません。といいつつ、いざ歌っているのを聴くと――、炭坑節を歌っていましたが、これがラップ調になってみると、おもしろいやら、びっくりするやら。
海外のメローディーには日本語は乗りにくいこともあるのでしょうか。結果としてラップ調になっちゃった。
最近では、若い女性の民謡歌手の方が、会津磐梯山だったかしら――を歌ってちょっとしたヒットをしていますが――、なんとラップ調になっているのに二度びっくりしました。
そして、クラブでは民謡を演奏して、ヒップホップ調に踊るなんてクラブもあるそうで、すごいことになっています。まさに民謡が熱い!
伝統芸能の王道、正道の道を進まれているみなさんには、少し違和感を持たれるかもしれません。あそこまでやっちゃっていいのかなぁ?、と。一方で、伝統の道を歩めば歩むほど、民謡を歌おう、楽しもうという人が増えないという危機感をもっている人も少なからずいます。初めのバンドをやっておられる方はそうでしたね。
伝統と伝統にとらわれまいとする考え方のせめぎ合い、伝統芸能には付きものの課題ではあります。どちらがいいとか、正しいということではないでしょう。伝統を頑なに守って進む方がおられないと困ったことになります。その一方で、民謡に新風を吹き込ませる方もおられないと困ると思います。
でも、素人にはラップ調の炭坑節ライブは楽しい。おもしろい!。正統派のみなさん、ごめんなさい。
今年は各地の盆踊りも自粛で、さみしい限りです。が、ラップ調にアレンジした民謡で盆踊りを踊ったらどんなことになるかしら。もうこれは盆踊りじゃなくて、キレッキレダンスですよ。盆踊りじゃなくて、お盆ダンスかなって。