リモート演奏
外出自粛が言われ始めた3月末、新日本フィルハーモニーのメンバーがリモートで演奏した動画がアップされ、話題になりました。テレビで何度か紹介されて、この動画を知ることになりました。
緊急事態宣言後の外出自粛の真っ只中の時で、先の見えない不安にあって、演奏された曲はパプリカ。明るい希望の曲です。そうそう、昨年のレコ大も受賞しましたね。
演奏家は演奏を聴いてもらうことが仕事です。それがいきなり、できなくなった…。そういう失意を乗り越えて、パプリカをひたむきに演奏する姿に感動、聴いているうちに涙が出ました。
このリモート演奏は、新日本フィルハーモニーの管楽器奏者の方が思いついて、仲間に声を掛けて実現したそうで、最初は、日本のホルントッププレーヤーによる演奏でした。これも動画アップされていますので、ご覧になった方もおられるでしょう。ある意味、衝撃的な演奏ではありました。このような事ができるんだって。
実は動画を見たのは、三味線でリモート演奏はアリなのかと考え始めていた時期と重なります。合同演奏会が中止になり、気落ちしていた時でもありました。
合同演奏会のことは5月にも書きましたが、あの時に書きたかったことがもう一つあったのです。
それは、演奏のタイミングを合わせることでした。実際の舞台では、リーダーや指揮者の目や身振りでタイミングがとれますが、リモート演奏ではこれが難しいのです。バイオリン奏者の方は、何度も演奏し直したそうです。ああ、やっぱりそうなんだ。息を合わせる、気配を感じるってことはあるんだと改めて感じたのでした。
ようやく、長いトンネルを抜けたかと思ったら第二波の足音が聞こえてくるようなるこの頃。
でも、この後の世界はあきらかに今までとは違う世界になるでしょう。それは生活全般から、仕事も、社会の仕組み、ひょとしたら演奏やお稽古も今までとは違った世界になっているかもしれません。
さあ、変化を恐れず、次の新しい世界へ、芸の世界に踏み出しましょう。