五七調

君が代――、今では日本の国歌となっていますが、結構日本人の底流に流れている心というか、をうまく表現しているように思います。
まず、君が代の歌詞は古今和歌集からのようですので、基本、五七調です。日本語は五七調だと耳にすっと入ってきます。広告コピー、キャッチフレーズ、標語なども五七調になっていると、入りやすいし、記憶に残りやすいですね。
話しはそれますが、君が代は、1オクターブ内に収まっている曲でもあります。作曲は日本人とドイツ人の合作(諸説あり)のようですが、曲調は古謡に通じています。
この1オクターブ、なんとカラオケでヒットする条件の一つなんだそうです。理由は誰でも歌えるからなのだからだとか。
時代は下って、民謡や唱歌、演歌、ポップスと、色んな楽曲が作られてきました。民謡にも五七調の曲が多いのは、ご存じの通りです。
春のうららの隅田川♪とか、ゆうやけこやけとかの唱歌もそうです。ポップスの曲にも五七調は、ひっそりと潜り込んでいます。意外なヒット曲が五七調の歌詞だったりしています。
話し戻って、君が代は、天子様の時代が末永く続きますようにという解釈がある一方で、江戸時代には結婚の祝い唄だったこともあるそうで、あなたとわたし、末永く、硬い石のように結ばれ添い遂げましょう、くらいの解釈で、それで祝い唄になったのでしょうか。これは今風、恋の歌ではありませんか。そういわれて見直すと、君が代、どっこい新しいよ、ってお思いになりません?。
そして、民謡の恋の歌も案外、出発点は君が代だったのかもしれませんね。おっとそもそも、古今和歌集が恋の歌集でした。
民謡や、演歌、ポップスでも五七調の歌を歌うのは、日本人の「血」か「遺伝子」なのかもしれません。
ベンベンと 三味線弾いて 歌えば楽し 五七調
さあ一緒に歌いましょう。