18世紀、ドイツにバッハという作曲家が活躍していました。中学でバッハは音楽の父とか教わったのではないでしょうか。
では、なぜ音楽の父なのでしょう。実は今ある音楽の多くは、演歌だろうが、J-Popでしょうが、ロックでも、バッハが打ち立てた音楽理論の中で成り立っているからです。
バッハの時代、通奏低音という演奏技術というかパートを多用する時代になります。これはメロディラインを奏でる奏者に、その主旋律をなぞるように低音を演奏するもので、時には即興で演奏もしたようです。なんかジャズっぽくありません?。
で楽譜はというと、低音パートになんだか意味不明な数字が書き込まれています。実はこの数字は現代のコード、Gマイナーとかいうあれです――、に通ずるのです。
バッハはこの通奏低音を多用しましたし、そのほか和音を体系的にまとめたとか、現代人は知らぬ間にバッハのお世話になっているのです。
低音パートは、加わってみて演奏に厚みが増して、初めて気がつくことが多いのです。合唱やデュエットでも最初から低音が入っているとわかりにくいのですが、パートを分けて演奏してみると、よくわかります。
民謡でも、三味線に太鼓が加わった演奏は、安定感が増します。ポップスやロックだとドラムやベースギターが音楽に厚みをつけてくれます。
クラシックでは、そのため、声部(大雑把に音階別、ソプラノ、アルト、テノール…)を細分化していきます。バイオリンだと、下にビオラ、その下にチェロ、さらに下にコントラバスという具合です。ポップスやロックではギターがベースギターという具合です。
まあ、西洋人は道具をどんどん細分化、専用にしてしまいます。西洋料理の鍋の種類の多いこと。楽器も同じ考えで発展させてきたのでしょうね。
とここで、ふと三味線にもベース三味線があったら、どうなるのかしらといたずら心がもたげてきます。あったら、どんな演奏が聞けるのでしょうか。考えるだけで、ちょっとわくわくしませんか。
1685年3月、バッハはドイツに生まれました。