これまで民謡や三味線の音楽について書いている中で、西洋音楽の話を何回かさせていただきました。ちょっと違うかなと思われるかもしれませんが、西洋音楽と邦楽を比較してみるのもおもしろいかと思いますし、比較することで見えてくること、気づく事があると思います。ひいては演奏にも参考になるのではと思って書いてきました。そこで今月はメロディーラインについてみてみましょう。
西洋音楽は第一主題と第二主題を基本にしてこれらの主題を変奏して、メロディーを作っています。
対する邦楽、とくに最近のポップスや演歌などは、第一主題に当てはまるAメロ、第二主題にあたるBメロでメロディーラインを作っています。ここまでは西洋音楽の基本とおりの手法です。そして、サビというメロディーに進んで行きます。いわゆる聞かせどころですね。ここが西洋音楽と違います。
では民謡はどうでしょうか。民謡にもサビはあります。全ての民謡にあるわけではありませんが、サビが聞かせどころですから歌い方が重要ですね。この聞かせどころの歌い方は
もうすでにお稽古でやられていることでお分かりと思いますが、ポイントは腹式呼吸です。いわゆる腹から声を出すというものです。ここで、西洋音楽の声楽も邦楽のサビも歌い方に違いはありません。同じです。
腹式呼吸で歌う事で、喉への負担が減らしながら、大きな声で歌う事ができます。とりわけ祝い歌では、歌に華やかさを添えることができます。
小学生の時、合唱のオーディションに突然受かって、腹式呼吸をたたき込まれたことがあります。歌う楽しさを覚えたものです。でも今はその面影すらありませんが。
さあ、あらためて基本に立ち返り、歌の技術を磨いて歌っていきたいものです。