拍、表裏

今年も、あちこちの盆踊りが中止になっています。いつになったら、盆踊りの太鼓の音が聞こえるようになるのでしょうか。
その太鼓、リズムをとる大事な楽器です。リズム、「拍」ともいうようですが、この「拍」に日本人は独特のものを持っているようです。
一言でいってしまえば、日本の拍は、1拍目が強く、西欧では1拍目が弱いということだそうです。
よく引き合いにだされるのが「1234」のリズムを刻む時に、1234を刻むのが日本人で、「1と2と3と4と」と拍の間の「と」を刻むのが西洋人だとか。農耕民族と騎馬民族の違いだと仰る方も。あっ、諸説あるようですよ。1拍目を強くするのを「表」、弱くするのが「裏」とかもいうようです。
とろこで、日本人が英語が苦手という、まあこれも決めつけといわれればそうかもとは思いますが、これにも「拍」が関係しているのではという話も。
たしかに、日本語は言葉の頭を強く発音し、英語では頭を強く発音しないことが多いですね。日本語以上に英語ではアクセントが重要になってきますが、なじむのに時間がかかります。だからこそ、次の単語のアクセントを書き入れよ、なんて試験問題も出てくるのでしょう。日本人の英語苦手意識の原因は「拍」にもあったんでしょうかね。妙に納得する自分がいて。他にも音域の事もあるのはよく知られていますが、それはまたの機会にでも。
さて、わたしたちは三味線を弾いていますが、これだけでなく太鼓などを含めて楽器は邦楽器で、邦楽を演奏していますので、「拍」は「表」での演奏を無意識のうちにしているのだと思います。
ここであえて、「裏」の「拍」を勉強してみましょう。それは間違いなく、リズム感が良くなると思うからです。
ある有名な指揮者が、練習中に、君たちはどうしてこうもリズム感がないんだ、と嘆いて練習を止めて帰ってしまったというエピソードを聞いたことがあります。西洋人でも民族間でリズム感が違うようですよ。リズムをとればいいだけの話といわれてもね。たかがリズム、されどリズムといったところでしょうか。