新緑の季節です。山が青みを増していく中、窓から見える山並みに残雪が残っています。
ふと残雪をいただいている山を見て気がつきました。
残雪をいただいている山が、実は見えている山並みと一体となった山ではなく、手前に見えている山並みの奥に見える山だったのです。雪があったことで、気がついたのです。
もう何十年も見ていて、見慣れている風景。ちょっとした驚きです。しかも手前の山の奥に見えているということは、手前の山よりはるかに高い山でもあることに二度びっくり。
通勤途中で、こんな所に花が咲いているということに驚かされることがあります。季節の移ろいを知らされます。東京と埼玉の県境に白子川という川があります。この川岸にお寺が二つほどあって、この周辺に桜があります。通勤電車の車窓から見ていると、普段はこんもりとした木々しかない所が一気に華やぎます。そしてこの木も桜だったのねと驚く自分がいます。
ところで趣味で音楽を聴きますが、最近は電車通勤もなく、雑用に振り回されているこの頃。電車通勤していた時に、時折楽譜を持って歩いて読書代わりに楽譜を見ながら、音楽を聴いていたことがあります。これが楽しいのです。こんな所にこんな記号あったっけとか、楽譜で新しい発見をすることが特にそうです。
三味線演奏でも同じ経験をされていることと思います。弾くたびに新しい発見があると思います。そうして、曲への理解が深まり、演奏も豊かになるのではと。お稽古の時も同じでしょう。思い込まずに、見方を変えてみる。他の方の意見も聞いてみる。いろいろなアプローチがあると思います。
飛躍かもしれませんが、人となりもそうかもしれません。才能もそうかもしれません。
隠れた才能、なんていいますからね。
つい経験から、これは常識だとか、当たり前とか思い込んではいないでしょうか。思い込みを捨てて、芸の道に新しい見いだせるよう、精進しなくてはと思った次第です。