今年の目標に、三味線合同演奏会のことを書きました。
でも今回の騒動で、この合同演奏会が中止となりました。今年前半の大きな目標で、みなさんでお稽古してきただけに、とても残念ですが、見えない相手に恨み節を歌ってみても始まりません。
その合同演奏、大人数での演奏は、一人や少人数の演奏とは違った難しさがあります。
まず、演奏者の技量がなるべくそろっていることが大切なのはおわかりだと思います。今回演奏予定の六段は、曲としてはそんなに難しくないと思います。合同演奏に向いている曲だと思います。
津軽三味線の演奏で難しいとされることが、もう一つあります。これも技術の一つではありますけど、音量のことです。津軽三味線は音量調整がとても難しいのです。そして、音量調整は周りの演奏者の音が聞こえていないといけませんね。
また、演奏中にここぞというとき、思いっきり音を出したら、音が外れてしまうなどということは、考えるだけでも冷や汗ものですね。
楽器の演奏はしないという方でも、ご経験がおありかと思いますが、小中学校では、合唱の授業があります。また学校によっては、校内コンクールなどというのもあったかと思います。そのための練習もされたと思います。
中学の合唱練習でよく言われたのが、周りの音を聞くことでした。周りの音が聞こえて、初めて演奏できたといえると、繰り返し指導されたこと覚えています。
音楽の先生が担任のクラスは、優勝候補です。それ以外のクラスは、上位に食い込めば上出来などということも思い出されます。そして、いよいよ本番。下手なりにもクラス全員が心を一つにして、歌い上げた達成感は、やっぱり格別のものです。
三味線も同じだと思っています。日頃のお稽古、そして本番での演奏。大人数での合同演奏の迫力をみなさんに感じていただきながら、演奏をやりきったあとの達成感は、それまでの日々のお稽古の苦労を吹き飛ばし、また新たな挑戦への励みや力になります。
重ね重ね、今回の合同演奏会の中止は残念でなりませんが、また次の機会が必ずあります。その時に向かって日々練習、精進して参りましょう。そして、ご一緒に演奏なさいませんか。三味線のエネルギーを感じながら、達成感を味わうために。