風が吹けば桶屋が儲かる。なんでもないことが、思いもかけない結果になることのたとえ話です。こじつけ、屁理屈、いささかストーリーにむりな感じもなくはありませんが、江戸の町には猫捕りなる職業があったとかで、まさに風が吹けば~の話し通りだったのですね。猫にとっては災難な話しではあります。、
でも今では、多くの三味線には猫の皮は使われておらず、犬の皮が使われているそうです。その皮も輸入で調達されているそうです。先月の話しの続きになりますが、この犬の皮も、動物愛護などの流れで輸入も厳しくなっているといわれています。
一方で、三味線の皮は最悪の場合、演奏中に破れることがあります。皮の張り替えは、大ごとです。破れたことで、演奏活動を止めてしまう人もいるとか。
そこで、この皮を動物の皮から、人工の材料に代えようと試行錯誤している職人さんが出てきています。
その代替材料もいろいろで、人工皮から防弾チョッキの布地、はては合成紙まで。天然皮に比べると、湿度の影響を受けにくいとか、演奏もばらつきが少なくなるようです。肝心の音ですが、人工皮は、少し高めの音が含まれているのか、華やかな感じの音です。それでも聴き分けができないくらい物もあるようです。防弾布は、反対に低い音が含まれるのか、エネルギッシュな音がします。
楽器の素材を人工素材にすると、音がどうもという声がある一方で、これからも楽器を作って、演奏していくこと、持続可能なシステムになっていくことは、若い次の世代の人たちのためにも良いことなんだろうと思います。この問題を解決してくれる技術が開発されることを信じてやみません。
材料がなくなって三味線が作れなくなりました。だから、次の世代の人たちが、演奏できませんでは、こんな残念なことはありませんね。