夏といえば、花火、スイカ、夕立、盆踊り、ゆかた、下駄、風鈴などなど。花火の音、かき氷を削る音、風鈴の音、下駄の音、日本人は季節ごとに、いろんな音を愛でてきました。
そんな夏の午後、開け放った窓越しに三味線の音が聞こえたりするのも、この季節。ご近所でも、ポロン、ポロン、三味線を弾く音が聞こえることがあります。
ゆるやかな節回しが聞こえます。うん、これは謡(うたい)かな。暑い夏の午後のひととき。風鈴の音色と共に、一服の清涼感に浸れる瞬間です。
どんな人が弾いてらっしゃるのかな?。ゆかたを着て、弾いてるのかしらと勝手に想像したりして……。おっといけませんね。
ところで、伝統芸能では夏に、ゆかたざらいというお稽古をすることが多いのです。お弟子さんが全員、浴衣に身を包んで、合同の演奏などをします。そもそもこの、ざらいというのは、おさらいのことです。日頃の練習の成果を、師匠や先生の前で発表します。併せてこのゆかたざらいを一般の皆様に公開している所もあります。
竹声会でも、ゆかたざらいを毎年行っています。今年は前会主の一周忌ということもあって、行いませんが。お弟子さん、会員さんが揃って演奏する様は、なかなか壮観ですよ。また、こうした機会は見学もできますので、ぜひ来年はお稽古場においでください。
さて7月といえば七夕の日ですが、7日は「ゆかたの日」でもあります。いかがですか、ゆかたを羽織って、三味線をポロンポロン、風鈴や下駄の音と共に夏を楽しみませんか。