令和の時代が始まりました

新しい「令和」の時代が始まりました。

この年号が万葉集から採られたことは、皆様もうご存じの通りです。この万葉集、当時の人々の詠んだ歌が集められていますが、その半分以上が詠み人知らずという、一般の庶民の人々が詠んだ歌だそうです。

当時の庶民の暮らしぶりは、詠み歌を通して想像するしかないのですが、嘆き悲しんだ歌が多いのだそうです。現代の我々読み手の力量が問われそうではありませんか。

庶民の暮らしの中から生み出されたという点では、民謡も同じです。もちろん、民謡は嘆き歌だけではなく、ハレの日に歌ったであろう、祝い歌もたくさんあります。ただ、民衆の悲しみを歌うには、その時代の悲しみの背景、人々の心情や社会的背景にまで思いをいたさなくてはならないと思います。軽い気持ちで歌えるものではないと思います。演奏技術の他にも勉強が必要なのだろうと思います。これは万葉の詠み人知らずの歌を読むのに力量が求められることに通じるのだろうと思います。

演歌でも怨み歌は、歌唱が難しいように、人の心情や悲しみ寄り添いながら歌を表現していくことは大変難しいと思います。

令和の時代、わたしたちはどんな現代の歌を詠むのでしょうか。伝統芸能や、演歌の世界では人材不足の感が否めませんが、それでも民謡や演歌の世界で、新作が発表されています。

今のわたしたちから、ずっと後の世代に向けて、わたしたちが、どんな作品や芸能を残せるのでしょうか。新しい歌でしょうか、それとも新しい演奏スタイル、演奏技術なのでしょうか。

令和の新しい時代区切り、特に若い皆さんがどんな演奏を聞かせてくれるか、期待にわくわくしながらも、少し緊張感もある今日この頃です。